化粧品OEM講座
前ページまでで、「化粧品処方」「化粧品の製造委託先OEM会社」が決まり、その過程で化粧品容器の選定作業も同時に進行してきました。いよいよ製品化まであと一歩!
この段階では、最終的に化粧品の容器自体を決定し、
を決定します。
実際に印刷ロゴのデザインなどは、皆さんそれぞれで作成されることになるかと思います。
どうしてもデザインから自分たちでできない場合は、委託先化粧品OEM製造会社さんや、化粧品容器メーカーさん(ディーラーさん)に聞いてみると良いでしょう。デザイナーさんを紹介してくれたり、自社で抱えている会社さんもあります。
なお、化粧品容器への着色(色)や印刷は、容器メーカーさんや容器ディーラーさんに発注するロット(本数)によって、着色可能な色、印刷可能なインクなどが異なってきます。詳細については、各容器メーカーさんやディーラーさんに問い合わせてみましょう。あくまで一般論ですが、発注する容器の本数(ロット)が多ければ多いほど、着色出来る容器の色や、印刷できる範囲、印刷方法が多様化し、オリジナルのデザインが施し易くなります。
もちろん逆も然りで、発注ロットが少なければ、その分できることの範囲が狭まり、デザイン面でオリジナリティや高級感が出しづらくなります。
※「ロットの考え方」
ここでは、以下のポイントを押さえておきましょう。
化粧品OEM製造メーカーさんに頼み、決定した化粧品容器に、実際に入る内容量を確認しておきましょう。
※化粧品容器のサンプルも頼めば手に入ります。
製品企画の段階で決めておいた"内容量"と、実際に容器に入る量を確認しておくのです。
もし、既に容器を決定し、印刷も完了したあとに生産工程で、実際に入る量が、決めていた内容量よりも多い、または逆に少ないことが判明しても、印刷されている内容量(製品企画の段階で決めていた)と同じ量を入れるしかなくなってしまいます。
(※注)容器などに記載されている内容量以上、または以下の量を充填することは、薬事法違反になります。
とすると、実際に容器に入る量よりも、あらかじめ決めていた内容量が少ない場合は、製品としての見栄えに影響してきますよね。ですから、充填してみてから発覚なんてことがないように、あらかじめサンプル容器で、実際の内容量を確認してもらっておくようにしましょう。
前ページ「化粧品容器の選定」でも触れましたが、中に入れる化粧品(内容物)と、化粧品容器の材質が合わず、液漏れや容器の変形が起こってしまうことがあります。実際に注意していても、大丈夫だと思っていても、起こることがあります。
したがって、これも前もって、実際にサンプル容器へ内容物を入れ、しばらく変化を見るなど、容器の耐久性をテストしておきましょう。
耐久性テストも、化粧品OEM製造メーカーさんに行っているかどうかを確認し、行っていない場合は頼めば行ってもらえるはずです。
化粧品容器やパッケージに記載する内容は、薬事法で定められています。ブランド名やブランドロゴなど、自分たちが記載(印刷)したい内容だけではなく、先ほど少し触れた「内容量」なども含め、決められた内容を記載しなければなりません。もちろん、化粧品OEM製造メーカーさん側でもチェックはしてもらえますが、最終的にはこのサイトでダウンロードできる"表示チェックリスト"を利用するなどして、記載漏れがないかなど、皆さん自身でも確認しておきましょう。
※皆さんのブランド化粧品です。OEMメーカーさんに頼むことが多いと思いますが、頼りっきりではなく、自分たちでも責任を持ってチェックしておきましょう。何かあって商品回収なんてことになってからでは遅いですから。
容器の仕様書とは、その容器が製品として認められる規格を定めたものです。「処方決定・化粧品OEM製造メーカー決定」でも、"品質規格"という内容物について定められた規格がありましたが、これは化粧品容器の品質について定めたものです。
化粧品容器も、様々な工程を経て製造され、品質に僅かな誤差が生じることがあります。もちろん製造工程が原因ではなく、輸送中に何かの弾みで容器にキズがついた、なんてこともありえます。そのような品質の誤差をどこまで認めるのかを既定していますので、あらかじめ化粧品OEM製造メーカーや、化粧品容器メーカーなどに依頼し、仕様書を貰って確認しておきましょう。
製品化された後に、このキズは想定していなかった! なんて言って、揉めたりしてもあとの祭りです。あらかじめお互いに納得していれば、何かあったときにもその後の対処がスムーズになります。