小売市場が発達している広州市では、商圏が極めて広範囲にわたる。そのため、広州市において最も人気のある以下の4つの商圏に焦点を置く。
(1)北京路商圏
北京路商圏は、広州市の観光資源と商業施設が混在し、観光客も多く訪れる場所となっている。北京路、大佛寺、南越王墓、古書院が連なり、広州市の最も特徴的なエリアとして歴史を保存・継承していく役割も担っている。
(2)天河商圏
天河商圏は、商業、ビジネス、娯楽等の施設が集まった繁華街である。現在、広州商業地区における繁栄の象徴で、商業面積は200万平方メートルを超え、その規模が「中華第一商圏」と称されている。
(3)農林下路商圏
農林下路商圏は、広州市において昔から有名な商圏のひとつである。周辺には、省政府、高等学校、病院、大手企業などが集まっている。近年竣工した分譲マンション「東山錦軒」「東山華府」の主な住民は、25~45歳の知識人を中心とした中所得者層である。
(4)環市東路商圏
環市東路商圏は、広州市の中心部エリアにある。環市東路商圏では、広州市の経済レベルを伺える。高所得者層、購買力の高い消費者がこの商圏で多く見られる。「麗柏広場」などの高級百貨店が出店している同商圏は、前述した北京路商圏などに比べ落ち着いた高級感が溢れるエリアである。
広東省の省都である広州市は、北方の北京、東の上海に次ぐ南方の大都市である。華南地区において最大の商工都市でもあり、広東省の政治、経済、科学技術、教育、文化、交通の中心地である。また、歴史文化に溢れた街であり、2200年以上歴史を有す城壁など名所旧跡が各所にみられる。