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フェイスラボ、アフターコロナを見据え人材育成、設備導入を推進
フェイスラボは、主力とするスキンケアで新たな剤型の受注が順調に進み、コロナ禍において業績は堅調に推移している。朝比奈謙太社長に前期の振り返りと今後の成長戦略について話を伺った。取材のポイント将来的な受注拡大を見据え、袋井工場を増設
代表取締役社長 朝比奈 謙太 氏――前期(2022年9月期)を振り返ってください。
朝比奈 大口案件が伸び悩む中、これまで進めてきた組織力向上の取り組みが実を結び、営業・マーケティング・開発が一体となった提案営業力に磨きがかかり、新規案件を獲得することで巻き返しが図れ、前年並みで着地することができた。
そうした中にあっても、投資は計画的に実施しており、人材の育成や設備の導入、ペーパーレス化が着実に進展した。
――人材育成についてはいかがですか。
朝比奈 環境整備を徹底することで社員の気づく力を養い、一人ひとりの生産性向上と価値観の統一を図ることを進めている。また、社外のファシリテーターが参加する会議を定期的に開催し、客観的な視点で課題の洗い出しを行い、その解決を図ることで、組織の壁が取り払われ、社内コミュニケーションが円滑になっている。
こうした組織力向上の取り組みにより、課題意識の共有化が進み、不測の事態が発生した時に次の一手が適切に打てるようになってきている。
――設備の導入、ペーパーレス化の進捗について教えてください。
朝比奈 将来的な受注拡大を見据え、袋井工場の増設を進めた。昨年末までに新管理棟を建設し、2トンの乳化釜の導入を終えた。今年5月をめどに生産ラインの増設を進め、生産能力を1.3倍に高めていく。
数年前より製造管理システムを導入し、バーコードを起点に、在庫管理から秤量、製造前チェック、ピッキングに至るまで自動化を図っている。原料の棚卸については作業時間が大幅に軽減され、年を追うごとにレベルアップが図れている。製造記録を記入する必要がなくなったことで、人的ミスの軽減・ペーパーレス化が大きく進展している。
また、処方データベースを新たに導入した。開発内の体制が整ったことにより効率的な処方開発が可能となったことで、試作品を提供するスピードが格段に早まっている。
――海外市場の攻略をどう進めていきますか。
朝比奈 中国を軸に東南アジア、アメリカにおいOEM事事業の展開を進める。現地でのリサーチを経て、着実に取り組みを強化していく。
――成長戦略についてお聞かせください。
朝比奈 お客様第一主義が浸透し、会社全体のベクトルが合ってきたことの成果として、新しい剤型を生み出せるようになってきている。今後もクライアントの要望に対応できるよう技術力の研鑽に努めるとともに、時代の一歩先を行く商品を前もって開発できるようマーケティング力の強化にも取り組んでいく。
メークアップや自然派コスメに強みを持つグループ企業・エフシー中央薬理研究所との連携を強化することでシナジーを生み出し、国内外で目に見える成果につなげていきたい。