化粧品に特化したマーケティング事業を展開する(株)ソフィアリンクス(所在地:東京都港区/代表取締役:三原誠史)は、「多機能コスメの動向とスペシャルスキンケアの今後」についてのレポートをまとめた。
多機能コスメの代表アイテムであるオールインワン化粧品とスペシャルスキンケアという2つのカテゴリーを以下のように情報の整理・分析を行い、多数の事例を踏まえながら現状と今後の動向を読み解いていきます。
オールインワン化粧品の市場規模は飽和状態と言われながら年々拡大している。
数多くのメーカーが市場に参入し、多品種展開が進行していることからオールインワン化粧品には明確な差別化ポイントが求められている。
Ⅰ)オールイワン化粧品の多様化状況
①アイテム集約による多様化
②剤形・容器形状による多様化
③機能性特化による多様化
スペシャルスキンケアの今後
景気の回復傾向と相まって、プレミアム市場が活性化している。化粧品市場においても、スペシャルスキンケアカテゴリーにおいて2つの注目すべき動向が見られる。
Ⅰ)スペシャルスキンケアの「日常化」
Ⅱ)スペシャルスキンケアの「高度化」
さらなるスペシャル・極み・こだわり・高度な技術
①サロン分野
②医療分野
オールインワン化粧品の市場は伸長しているものの、2強と呼ばれてる「ドクターシーラボ」「新日本製薬」の売上は減少している。一方で、その他のメーカーの販売実績が急速に伸びている。中でもティーエージェントは急激に販売実績を伸ばし、3番手に位置づけるなど成長が著しい。
前述の通り、2強のシェアが奪われ他メーカーのシェアが拡大し続けているオールインワン市場の現状を踏まえ、その詳細な動向を捉えるためにオールインワン化粧品に関する商品のプロファイル調査を行った。
■調査日2014年9月11日
■調査対象アイテム39品
【調査対象アイテムのピックアップ基準】
クチコミサイトアットコスメにて「オールインワン化粧品」のうち「購入場所」6区分それぞれの上位10品をピックアップ
購入場所6区分それぞれの上位10アイテム
合計60アイテムをピックアップ
次の条件に合致するものは対象外とした。
・機能数が明確に表記されていない商品5品
・同一メーカー・ブランドの香り違い商品1品
・化粧水+美容液など、2つのアイテム機能しかない商品1品
また、2つ以上の区分で10位以内に重複ランキングされていた商品14品は重複カウントせず、1品としてカウントした
オールインワン化粧品の剤形と容器形状についても調査を行ったところ、ジェル(ジェルクリーム)剤形は39品中30品で8割近い。容器形状においてもジャー容器が28品と7割を超える。「オールインワン化粧品=ジェル形状・ジャー容器」という認識が一般的な中、剤形・容器形状による多様化が進行していることが確認できた。
剤形について
•ジェルが30品で8割近い。
•クリーム、美容液がそれぞれ4品で1割。
•化粧水が1品。
容器形状について
•ジャータイプが28品で7割を超える。
•ポンプが5品、チューブ・ボトルがそれぞれ3品で合計3割近くになっている。
•ジェル形状ではあるが、ポンプタイプのものなどもある。
昨今の景気の回復傾向と相まって、プレミアム市場が活性化している。化粧品市場においても、スペシャルスキンケアカテゴリーにおいて以下の2つの注目すべき動向が見られる。
Ⅰ.「日常化」の流れ
①ロープライス化・大衆化
②エステケアの日常化(美容機器の家電化)
Ⅱ.「高度化」の流れ
①医療・医薬分野の化粧品応用
②IT機器・技術の活用
シニア世代の美的欲求の高まりにつれてスペシャルケアの日常化ニーズが高まり、それに応える形でメーカー各社が商品を投入している。従来のスペシャルスキンケアの概念が変化し、スペシャルケアの日常化の流れがある。
スペシャルスキンケア市場の拡大傾向は、そのカテゴリーに属するアイテムが市場に多数投入され消費されることだけではなく、大衆化することで裾野を大きく広げ更に非日常的なエステケアをセルフケア化することで、日常化促進に成功したことが市場けん引につながっている。