クロス・マーケティングは2013年7月、国内外ビジネスのアジア市場に対する興味が高まっていること、特にアジア圏の多くの国々において、若いアーバンプロフェッショナル(=ヤッピー(※1))が主に消費を後押ししていると言われていることから、ヤッピーのIT機器利用実態を、アジア5ヶ国(インドネシア/タイ/中国/韓国/日本)で比較した。
調査概要
■対象者条件
• 25‐34歳 男女
• ジャカルタ(インドネシア)、バンコク(タイ)、上海(中国)、ソウル(韓国)、東京(日本)いずれかの都市に在住
• 会社員(派遣・契約を除く)、公務員、教職員、非営利団体職員、自営業、SOHO、専門職(弁護士・税理士・医療関連)いずれかの職に就いている
• 個人月収(/年収)が一定以上
• 〔日本〕過去1年以内にIT機器(※2)を自購入した人/〔日本以外4ヶ国〕/過去2年以内にIT機器を自購入した人
■サンプル数
• 本調査サンプル数:各国200サンプル(5ヶ国総計:1,000サンプル)
■設問数
• スクリーニング:3問/本調査:10問
(※1)ヤッピー(yuppies)とは、一般に、”young urban professionals”の略で、都市部に住む若いエリートプロフェッショナルのことを指す。1980年代にアメリカを発祥として流行語となったが、近年は、アジアなどその他各国の発展市場における特定のターゲットセグメントを指すマーケティング用語として用いられることが多い。
(※2)本稿における「IT機器」の定義:スマートフォン、デスクトップPC、ノートPC、タブレット、電子書籍用タブレット
◆本稿における「ヤッピー」の定義:
• 25‐34歳 男女
• ジャカルタ(インドネシア)、バンコク(タイ)、上海(中国)、ソウル(韓国)、東京(日本)いずれかの都市に在住
• 会社員(派遣・契約を除く)、公務員、教職員、非営利団体職員、自営業、SOHO、専門職(弁護士・税理士・医療関連)いずれかの職に就いている
• 個人月収(/年収)が一定以上(詳細は下記参照)
□インドネシア:400万ルピア/月 以上
□タイ:2万バーツ/月 以上
□中国:5000元/月 以上
□韓国:200万ウォン/月 以上
□日本:20代は400万円/年 以上、30代は500万円/年 以上
■スマホ購入のきっかけ(トップ5)
スマートフォン購入のきっかけ(トップ5)は、インドネシア・タイ・中国では、日本・韓国と比べて多様な要因が購入契機となっている
韓国・日本では「プライベートで使いたかった/必要になった」に回答が集中している
他方、インドネシア・タイ・中国では2位のきっかけが4-5割、5位でも約3割程度と相対的に高い
■タブレット購入のきっかけ(トップ5)
タブレット購入のきっかけ(トップ5)は、インドネシア・タイ・中国では、スマートフォン購入のきっかけと
同様、より多様なきっかけを経てタブレット購入に至っている
韓国・日本では「プライベートで使いたかった/必要になった」に回答が集中している
他方、インドネシア・タイ・中国では、2-5位も相対的に高い
■スマートフォン購入に寄与した情報源(トップ5)
スマートフォン購入に寄与した情報源(トップ5)は、日本以外の4ヶ国では、テレビやインターネット等、多種の情報源を活用している。インドネシア・タイ・韓国では「テレビ番組・CM」が、いずれも50%前後でトップ
日本では、「店頭」が主な情報源である。日本では、「店頭で見つけて」が38.6%で1位だが、2位以下の情報源はいずれも20.0%以内に留まり、全体的に回答が分散している
中国では、「テレビ番組・CM」も40.2%とある程度参考にされてはいるが、「ブランドやメーカーのホームページ」「インターネット上のニュース記事」「口コミサイト・掲示板サイト」といったインターネット上の各種情報サイトが「テレビ番組・CM」を上回る
■タブレット購入に寄与した情報源(トップ5)
タブレット購入に寄与した情報源(トップ5)は、 5ヶ国すべてに関して、ひとつの情報源に集中せず、多岐にわたる情報源を参考にしている傾向がうかがえる
ただし、インドネシア・タイ・中国では、上位5項目がすべて4割前後となっており、韓国・日本と比べると、相対的に情報参照率が高い
■スマートフォンの重視点(トップ5一覧表)
スマートフォンの重視点(トップ5)は、韓国・日本では安価な価格設定とデザイン性をスマートフォンに求めていることがうかがえるのに対し、インドネシア・タイ・中国では、新しさ・多機能性をスマートフォンに求める傾向が強い
■タブレットの重視点(トップ5一覧表)
タブレットの重視点(トップ5)は、どの国も「多機能性」が3位以内であるという点は共通しているが、国毎にそれぞれ特徴が異なる
■スマートフォンの利用シーン
スマートフォンの利用シーンは、インドネシア・タイ・中国・韓国では、日本と比べてスマートフォンの利用シーンが多様である。自宅や移動中のみではなく、仕事関連の場面や公共の場でも比較的積極的に使用しており、全般的に高い
日本では、「移動中・待ち時間」「自宅のプライベートスペース」「オフィス(休憩時)」「レストラン・カフェ・バーなど」の上位4項目は、5割を超えている。5位以下の項目は、他の4ヶ国と比べると利用度合いが低い
■タブレットの利用シーン
タブレットの利用シーンは、日本以外の4ヶ国の方が、日本よりも利用シーンが多様であり、自宅や移動中のみではなく、仕事関連の場面や公共の場でも比較的積極的に使用している
「自宅のプライベートスペース」 「移動中・待ち時間」 「自宅の共同スペース」はどの国も総じて高く、4-6割が使用している
日本では、それ以外のシーンでの使用率はいずれも2割に満たず、使用シーンが自宅と移動中に限定されている傾向がうかがえる
■スマートフォンとタブレットの利用目的
スマートフォンとタブレットの利用目的は、各国それぞれに特徴がみられる
■インターネット上の各種コミュニケーションサービス利用実態
各国における各種コミュニケーションサービス利用実態を見ると、日本を除く4ヶ国では、「Email」以外にも利用率が9割を超えるコミュニケーションツールが存在している
どの国でも「Email」が97.5%以上と、最も高い
■FacebookとLINEのコミュニケーション相手
Facebookのコミュニケーション相手は、インドネシア・タイ・中国では、全般的に日本・韓国よりもスコアが高く、様々な属性の相手とより積極的にコミュニケーションをとっていることがうかがえる。他方、韓国・日本では、「親友」「友人・知人」に回答が集中している
LINEのコミュニケーション相手は、タイ・インドネシアでは、全般的にスコアが高い。特にタイは、すべての項目で1位になっている
株式会社クロス・マーケティング担当:来條 貴史(らいじょう たかし)
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