かつては紫外線照射量が多いとされる5月頃が実需期のピークだった日やけ止め化粧品が、時間の経過を経て現在のような通年型アイテムへと位置づけが変わってきた。役目を求められる時期が一年中になってきた変化にともない、サンケア製品は肌への負担軽減や、また愛用者にとって尽きることがない安全性追求に応えたいメーカー各社の意志を受け、原料供給者は厳しいリクエストに対応してきた経緯がある。さらに、ここへきてサンケアに降って注いだ新しい役割として、まだ一般に浸透したとはいいづらい大気汚染対策「アンチポリューション」へ舵を切っていくメーカーの動きが顕在化してきた。幸いにも環境に恵まれた日本では、まだアンチポリューションが喫緊の課題にはあがっていないが、やがて末端で生活者の関心が一気に高まれば当該原料に引き合いの大波が寄せられそうだ。また、サンケアと似て非なる用途といえる美白についても、化粧品マーケットで主要な売上構成比を占めるポジショニングは変わっていない。メーカー各社のR&D部門は、美白製品で「さらに上」を目指して研鑽を続けている。