今回は、「業績好調企業の共通点を探る」というテーマで持論を展開していきたい。 大手企業ではここ数年、コーセーとポーラ・オルビスHDの好調ぶりが際立っているが、その両社には、「ビジネスモデルに起因する根深い課題と真正面から向き合い、それを乗り越えてきた」という共通項がある。 コーセーは、2007年に小林一俊社長が就任して以降、取引店の精鋭化や物流業務のアウトソーシング化などを柱にした「守りの改革」を実行し、一定の成果が出た2011年度からはマーケティングや研究開発へ投資し、売上げを増やし、利益を生み出していく「攻めの改革」に移り、右肩上がりの成長を続けてきた。 ポーラ・オルビスHDも、2000年に鈴木郷史社長が就任して以降、様々な経営・風土改革に着手し、社員の意識改革と並行する形で、カウンセリングとエステを融合した誘客型ビジネスモデル「ポーラ ザ ビューティ」を2005年に完成。そこから「攻め」に転じたポーラは、長らく前年割れを続けてきた訪販事業を建て直し、V字回復を果たした。