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    日本コルマー・神崎会長、2016年3月期の事業戦略を語る

    化粧品・医薬部外品OEMの国内最大手である日本コルマー(神崎友次会長)は、2015年3月期の連結売上高が国内・海外事業ともに伸長し、7.2%増の266億円となった。日本コルマー単体でも前年比3.0%増の241億円となり、11期連続の増収を達成した。今年4月には国内4つ目となる研究所(以下、「横浜研究所」)を、横浜市内にある東京工業大学内に開設し、産学連携による研究をスタートした。神崎会長に横浜研究所の位置づけと、今後の成長戦略について話を聞いた。

    研究者の裾野を広げ、研究開発型のODMに邁進


    代表取締役会長 神崎 友次 氏

    ——新設した横浜研究所についてお聞かせください。

     神崎 横浜研究所では、これまでにない価値を生み出す「プロダクト・イノベーション」を推進していく。目指すのは、いわば電話がアナログからデジタルへ変化したような、革新的かつ新機軸な化粧品の開発だ。ベンチャー的な取り組みになるため、ある程度の時間を要することになるが、研究テーマから大学と連携して進め、研究成果については学会などを通じて発表していく。

     大阪の柏原・八尾、島根の出雲にある3つの研究所では、改良・改善型の研究開発を行う「プロセス・イノベーション」に取り組んでおり、年間約800~1000SKUの新製品を開発している。販路や販売方法など多種多様な顧客からの情報を独自に統計処理し、マーケティングに活かした上で開発を行っており、近年は当社の生産技術力だけでなく、スピードも含めた開発力を期待しての依頼が増え、下請けの意味合いが強いOEMではなく、パートナーという形で製品の設計から入り込んだODMの形になってきた。

     しかしながら、当社の目標はグローバル№1のOEM/ODM企業になることだ。そのためには、従来の開発に加え、新たな価値を創造する研究開発力を高めていかねばならない。横浜研究所をその発信地と位置づけ、まずは機能性原料の経皮吸収効果の研究とともに、高圧乳化技術を応用して吸収効果を最適化する処方の開発を進めていく。

     また、市場ニーズを十分に満たせていない敏感肌用の処方開発にも取り組んでいく。敏感肌向け化粧品は、「自称敏感肌」と認識している女性の割合から見ると、まだまだ成長が見込める分野だ。正常な肌よりも角質層の薄い培養皮膚モデルを用いて安全性を検証しながら処方開発を進め、敏感肌の方に安心して使える化粧品を開発していく。

    ——横浜研究所の開設により、昨春稼働を開始した静岡工場と合わせて、東日本エリアに研究・生産拠点が完成したことになります。

     神崎 研究・生産拠点が関東近郊にできたことで、東日本エリアの顧客に対し、今まで以上にスピーディかつ柔軟な対応が可能になる。既存顧客へのサービス向上を図るとともに、新規顧客の獲得に力を注いでいく。

     静岡工場は稼働前に増床し、生産能力を高め、出雲工場と同様にソーラーパネルを設置した環境型の工場に改修した。関東近郊の得意先からは「工場が近場にできて便利」といった評価もいただけている。また、災害が多い日本国内では、BCP・DCPの観点から、取引先に対する製品供給阻害に対するリスクヘッジが不可欠であり、国内4拠点化にしたことで、ヘッジ能力はさらに高まった。

     また、東日本エリアへの進出は、関東圏内の優秀な人材を確保し、国内の足固めを強化することも狙いとしてある。特に、優れた研究者の獲得は、当社の強みである研究開発型のOEM/ODMとしての価値を高める重要なポイントになる。毎年、院卒者を中心に技術系スタッフが増加し、約120名の研究員が在籍しているが、研究員たちの出身地や出身大学は、関西を中心に本社、研究所・工場がある西日本に偏りが見られる。大学・大学院の多くは東京を中心とした関東近郊に集中しており、その分、優秀な学生もたくさん存在する。

     関東で働ける研究所があることで、関東系の院卒・大卒者も進路先に当社を加えやすくなる。実際に昨年は、この春から入社する新卒者向けの会社説明会を都内でも開催し、予想を上回る応募があった。この春入社した新入大卒・院卒社員は16名だが、そのうちの約半数を関東系大学の出身者から採用することができた。 

    業界に吹く追い風も味方に、16年3月期は連結売上275億円を目指す


    横浜研究所

    ——国内事業の成長戦略についてお聞かせください。

     神崎 東日本大震災以降、国内化粧品市場はプラス成長となっているが、長期的に見れば人口減少により市場は確実に縮小に向かう。競争は今よりもさらに激しくなることが予想され、ブランドメーカー各社は今から販売に集中できる体制を強化しておく必要がある。

     販売力の強化に向け、自社工場を持つ大手・中堅のブランドメーカーが製造部門の再編を迫られるのは時間の問題だろう。なぜなら、ブランドメーカーにとって、自社ブランド化粧品を販売して利益を上げることが目的だからだ。作ることはあくまで手段にすぎない。大手のブランドメーカーであっても、自前の工場を年間フル稼働させるのは難しいだろう。

     しかしながら、様々なブランドメーカーとの取引があるOEM/ODMであれば、工場を1年間フル稼働させることが可能であり、生産効率を上げることで生産コストを抑え、その分を価格に反映できる。ブランドメーカーにとっても、アウトソーシングによるメリットは大きく、お互いにWin-Winの関係を構築できる。

     私たちOEM/ODMは、ブランドメーカーが安心してアウトソーシングできるように、ブランドメーカー工場と同等かそれ以上の高い生産管理・生産技術を備えておく必要がある。

    ——2016年3月期の目標についてお聞かせください。

     神崎 中長期目標に定めた連結売上高300億円の早期達成に向け、16年3月期は連結売上高275億円、前年比3.4%増の達成を目指して取り組んでいる。

     近年は進出して15年以上経つ中国・蘇州コルマーも好調に推移しており、14年3月期の海外事業は27億円となった。近年、中国国内のローカル企業も力をつけ、日本と同様、異業種から化粧品市場に参入する企業も多く、蘇州コルマーも有力なローカル企業との取引が増えてきている。中長期目標の達成には蘇州コルマーの成長も欠かせない。

     また、政治的な問題があっても、日本製化粧品のインバウンド需要からも明らかなように、日本製に対する中国消費者の評価は非常に高く、輸出を視野に入れたサポート体制も強化していく。

     海外事業においては、数年前からは「チャイナ+1」戦略を推進し、海外の新たな生産拠点としてASEAN諸国への市場調査を進めてきた。現在は2~3カ国に絞り込むところまできている。今後も引き続き、日系を含むグローバルメーカーの動向を見ながら、進出国を決定し、進出のタイミングを計っていく。

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