3コンセプト決定&商品開発開始

化粧品OEM講座

前ページまでで、皆さんが化粧品の製造を委託するOEMメーカー候補がいくつかに絞られたかと思います。また、皆さんが作りたいオリジナル化粧品のイメージも、おおよそ化粧品OEM製造会社さんに伝えている状況だと思います。ここでは、具体的に"どんなものを作るのか"というイメージ(商品コンセプト)を、OEM製造会社さんとすり合わせて、皆さんオリジナルの化粧品を、化粧品OEM製造会社さんと共同で開発していくことになります。

以下のポイントを念頭に置きつつ、OEM製造会社さんの開発スタンスを確認・理解しながら、細かな部分まで皆さんの要望を伝えておきましょう。

発注ロットの考え方

発注ロットの考え方

まず唐突ですが、一般に小ロット対応されている化粧品OEM製造会社さんの場合でも、最低受注ロットは"1,000個"以上となります。ほとんどのOEM製造会社さんが、"1,000個"以下では受けてくれないと思っても良いでしょう。中には最低受注ロットを5,000個以上や、10,000個以上と定めている会社さんも少なくないです。特に初回発注ロットについては、多くの方がなるべく小ロットから始めたい、と思っているようです。もちろん、売れるかどうかわからない状態で、たくさんの在庫を抱えてしまうのはリスクに違いありませんから、充分にその思いは共感できます。また、実際にOEM製造会社さんの中には、まれにですが"1,000個以下"でも受注する会社さんもあります。ただし繰り返しますが、この業界の最低ロットと言っても過言でない基準は"1,000個"以上です。

それには以下のようないくつかの理由があります。

(1)容器ロットとの兼ね合い

最低でも”1,000個”もしくは"1,500個"以上のロットでないと、
化粧品容器への印刷ができない

化粧品容器メーカーさんは、基本的に既定の型の化粧品容器を販売されています。もちろん各容器メーカーさんからたくさんの型が販売されていますから、選択肢はありますが、基本的には他のブランドの化粧品と容器の形が同じになることが多いです。その場合、皆さんは容器の色やロゴ印刷などで、他のブランドとの外見的な差別化を図っていかなければなりません。一般に"1,000個以下"では容器に印刷を施すことができません。当然、容器に色つける(着色)こともできません。

※容器の着色は、"3,000個(本)以上"のロットでないと対応できない場合が多いです。

したがって、発注ロットがあまりに少ないと、真っ白な容器にシールでロゴを貼る程度のことしかできず、高級感も出なければ、デザイン面での差別化も図れないことになってしまいます。化粧品はイメージが重要な要素です。容器などの外見的な部分をおろそかにしてしまうと、せっかくこだわって作った化粧品を多くの方に使っていただけないことにもなりかねません。ですから、容器まで納得のいく化粧品を作るのであれば、容器ロットとの兼ね合いを考慮し、化粧品OEM製造会社さんへ発注する個数も、"最低1,000個以上"にしておきましょう。

※大量発注を定期的に行う、一部の大手化粧品販売会社の場合は、その会社さんオリジナルの型で容器を作られています。

(2)小ロットのコスト増

根本的にコスト増(1個あたりの単価増)になる。

化粧品の中身を製造する化粧品OEM製造会社さん側でも、各会社さんの製造・生産体制によって違いはありますが、一般的に大きいロットで物をつくるよりも、小さいロットで作るほうが、一個あたりの単価は高くなります。例えば、一度に製造釜で1,000本分の化粧水を製造することができる会社さんが、同じ時間と人手をかけて、100本しか作らなかった場合、単純に人件費を本数で割ると、1本あたりのコストは、100本しか作らなかったときの方が高くなりますよね。

そういった理由から、皆さんにコスト負担がのしかかることになりますので、必ずしもロットが少ないとリスクが少なくなるわけではないのです。したがって、単価というものを意識した上で、最も効率的な発注ロット数を検討しましょう。

上記のポイントを参考に、いくつかの化粧品OEM製造会社へ問い合わせをして情報収集を行いましょう。この段階で、例えば予定している品目が製造できない、など決定的な情報があれば、ある程度OEM製造会社を絞り込めるはずです。さらに上記ポイントが決まっていて整理できていれば、この先商品開発を行っていく上でも話がスムーズにできるでしょう。

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